マイクロ水力発電とは?
マイクロ水力発電は、発電出力が100kW以下の小規模な水力発電です。上水道、工業用水道施設、工場やプールなどの循環水処理施設や渇水時でも最低限の河川の流量を維持するための河川維持用水などで発生する水流のエネルギーを有効活用できる点が特徴です。
しかし、マイクロ水力発電は発電規模に対してシステムのコストが高く、サイズも大きいため、導入場所が限定され、普及が進んでいない課題を抱えていました。
なぜ、マイクロ水力発電?
東日本大震災以降、原発の稼働が停止し、従来の原子力発電に代わって火力発電の割合が増加したことで、CO2排出量の削減が困難になっています。
そこで、新たな電力源の確保が喫緊の課題となり、再生可能エネルギーの期待が高まっています。
太陽光発電や風力発電に比べて稼働率が高く、年間発電量が多い水力発電は、安定したベース電源になりえる発電です。
しかしながら、発電出力100kW(キロワット)以下のマイクロ水力発電は発電規模に対してのコストが高く、設置サイズも大きいため導入する場所が限定され、普及が進んでいない現状があります。
ダイキン工業は、高効率化、低コスト化、省スペース化が求められているマイクロ水力発電に、これまでの空調・油圧機器の省エネ商品の開発で培った技術を応用し、水車・発電機・コントローラをパッケージ化した小型で低コストのマイクロ水力発電システムを開発いたしました。
ダイキン工業が開発した
マイクロ水力発電システムの特長
ダイキン工業の技術を活用することで、
従来の発電システムで必要とした設置面積を半減。
さらに、流況に合わせて発電効率を最大限に引き出します。
○発電機とコントローラには、空調・油圧機器の開発で培ったモータ技術、インバータ技術を応用し、高効率化を実現しました。
○ダイキン工業のモータを発電機として使用し、汎用の縦型インラインポンプを水車として組み合わせることでコストを大幅に削減しました。
○縦型インラインポンプの採用に加え、コントローラを発電機と一体化。設置面積を極小化し、スペースに限りのある上水道施設などにも設置しやすくなりました。
開発したマイクロ水力発電システムの構成要素(22kWクラス)
従来の発電システムで必要とした設置面積を半減。
さらに、流況に合わせて発電効率を最大限に引き出します。
22kWクラス | 75kWクラス | |||
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システム本体 | 水車部 | 水車形式 | 縦型インラインポンプ逆転水車 | |
フロランジ規格 | JIS 10K並形 | |||
管口径※ | 150mm | 200mm | ||
発電機部 | 形式 | 永久磁石同期発電機 | ||
寸法 | 高さ 1280mm 面間 936mm(片落菅は除く) 奥行 545mm |
高さ 1380mm 面間 1136mm(片落菅は除く) 奥行 642mm |
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概略重量 | 500kg | 1000kg | ||
システム制御盤 | 系統連結部 | 制御方式 | 自励式、電圧形電流制御 | |
電気方式 | 三相3線式 | |||
電圧・周波数 | AC202V 50/60Hz | AC420V/AC440V 50/60Hz | ||
寸法 | 高さ 1600mm 幅 1000mm 奥行 800mm | 高さ 1600mm 幅 1000mm 奥行 800mm | ||
概略重量 | 500kg | 600kg |
「創エネ」に活かされるダイキン工業の独自技術
マイクロ水力発電システムは、
ダイキン工業が空調・油圧機器の省エネ商品開発で培った技術を応用しています。
空調機に使われているモータ・インバータ技術
ダイキン工業が世界に先駆けて実用化したリラクタンスDCモータは、大パワーの高速モータで、圧縮機の小型化、高性能化を実現した技術です。
また、電流を切り替えて、モータの動きを高精度に調節するインバータは、
エアコンの消費電力を30%低減させた技術です。
マイクロ水力発電システムには、これらの技術が応用されています。
ダイキン工業の空調技術は様々な用途に展開されています
ダイキン工業では、油圧とモータ・インバータを融合したハイブリッドシステムにより、
工場のエネルギー消費を大幅に削減できる製品を開発しております。
さらに建機・車両などのハイブリッド化・電動化にも用途展開されています。
見える化技術で運用コストを削減
マイクロ水力発電システムの内部情報を活用し、運転・管理状態の見える化、
インターネットを介した遠隔監視を行っており、
運転管理・メンテナンス等の運用コストも最小限に抑えられます。
この見える化技術も、ダイキン工業の独自技術を活用しているから実現する機能です。